地震保険は、地震・噴火・これらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失を補償します。ただし「壊れたところを修理する保険」ではありません。建物は主要構造部、家財は家財全体の損害区分で支払います。
区分建物:主要構造部家財:家財全体支払割合
全損50%以上等80%以上100%
大半損40%以上50%未満等60%以上80%未満60%
小半損20%以上40%未満等30%以上60%未満30%
一部損3%以上20%未満等10%以上30%未満5%
CASE 01

基礎に地震後のひびが入った

こういう事案

地震前には気づかなかったひびを、建物外周の基礎に複数発見した。修理業者から補修を勧められた。

原則どうなる?主要構造部として調査対象。ただし、ひび=一部損ではない

基礎は建物の主要構造部です。ただし、地震保険は補修費ではなく、建物全体に対する主要構造部の損害割合で認定します。構造、ひびの幅・長さ・本数・範囲、地震との因果関係などを確認します。

ここで内容が変わる
  • 建物の構造区分
  • ひびの幅・長さ・発生範囲
  • 地震前の写真や既存クラックの有無
CASE 02

室内ドアが閉まらず、クロスも破れた

こういう事案

地震後から室内ドアが枠に当たるようになり、壁紙にも破れや隙間が出た。ドアとクロスの修理費を補償してほしい。

原則どうなる?室内ドア・クロス自体 → 建物の損害認定の対象外

地震保険の建物調査は、基礎、柱、壁、屋根などの主要構造部を中心に損害割合を判定します。室内ドアやクロスは、それ自体の修理費を積み上げる対象ではありません。ただし、建物の傾斜や主要構造部の変形が原因で症状が出ている可能性はあるため、地震後の変化として伝え、原因となる構造部分を確認します。

ここで内容が変わる
  • 基礎・柱・壁などにも損害があるか
  • 建物全体に傾斜や変形がないか
  • 地震前にはなかった症状か
CASE 03

外壁にひび、目地にずれが出た

こういう事案

軽量鉄骨住宅の外壁材にひびやずれが見つかった。室内には大きな損傷がない。

原則どうなる?外壁は調査対象。ただし構造・損傷範囲で評価が変わる

地震保険は建物構造によって損害認定の見方が異なります。木造、鉄骨造、コンクリート造では、着目する主要構造部や算定方法が同一ではありません。軽量鉄骨だから基礎を全く見ない、外壁のひびが1本あれば認定、という単純な判定ではありません。

ここで内容が変わる
  • 保険上の構造区分
  • 外壁全体に対する損傷範囲
  • 躯体の変形・基礎・接合部の状態
CASE 04

門扉や塀だけが壊れ、家は無傷だった

こういう事案

地震で門扉が傾き、ブロック塀も一部崩れたが、母屋の基礎、柱、壁、屋根には損害が確認されなかった。

原則どうなる?門・塀・垣だけの被害 → 地震保険は支払いなし

門扉、塀、垣だけに損害があり、母屋に地震保険上の損害がない場合は、建物の地震保険金は支払われません。門扉の修理費が高額でも、それだけで建物の一部損にはなりません。地震危険を別途補償する特約がある場合は、その契約内容を確認します。

ここで内容が変わる
  • 母屋の主要構造部にも損害がないか
  • 門・塀以外を補償する地震関連特約があるか
CASE 05

テレビと食器棚が倒れて壊れた

こういう事案

建物に大きな損傷はないが、テレビ、家具、食器、調理器具などが壊れた。

原則どうなる?家財の地震保険あり → 家財全体の損害割合で判定

建物の地震保険では家具・家電は対象になりません。家財を対象に地震保険を契約している必要があります。壊れたテレビ1台の修理費ではなく、家財全体の時価に対する損害割合で、一部損以上に達するかを確認します。

ここで内容が変わる
  • 家財にも地震保険を付けたか
  • 世帯の家財全体と被害品の割合
  • 被害品の品目・数量・写真
CASE 06

大切なランプだけが壊れた

こういう事案

地震でお気に入りのランプが落下して割れた。ほかの家具や家電には目立った被害がない。このランプだけでも補償してほしい。

原則どうなる?ランプ1点の修理・買替費用を個別に払う仕組みではない

家財の地震保険は、希望する品物を1点ずつ選んで補償する保険ではありません。食器類、電気器具類、家具類などの代表品目を確認し、家財全体に対する損害割合で判定します。ランプが大切な物でも、家財全体の損害が一部損の基準に達しなければ保険金は支払われません。

ここで内容が変わる
  • 家財にも地震保険を付けているか
  • ほかの家財にも損傷がないか
  • 家財全体に対する損害割合
CASE 07

地震後の火災で家が焼けた

こういう事案

揺れで電気機器が損傷し出火。隣家からの延焼も重なり、住宅が焼失した。

原則どうなる?通常の火災保険 → 原則対象外/地震保険で判定

地震を原因とする火災や、地震によって延焼・拡大した火災は、通常の火災保険では原則補償されません。地震保険を契約していれば、損害区分に応じた保険金が支払われます。

ここで内容が変わる
  • 火災原因と地震との関係
  • 地震保険の付帯
  • 地震火災費用保険金の有無と条件
CASE 08

修理見積りは200万円だった

こういう事案

壁、基礎、建具の補修見積りが合計200万円。地震保険金も200万円出ると思っていた。

原則どうなる?修理見積額と保険金額は連動しない

地震保険は実際の修理費を積み上げて同額を払う仕組みではありません。主要構造部などの損害割合から区分を認定し、地震保険金額の100%・60%・30%・5%を支払います。認定なしなら、修理費が高くても支払いはありません。

ここで内容が変わる
  • 認定された損害区分
  • 契約した地震保険金額
  • 修理見積りと認定基準を分けて考える

申告前に残しておくもの

  1. 建物全景を四方向から撮影
  2. ひび・ずれは引きと近接の両方を撮影
  3. 建具の不具合は動画でも記録
  4. 家財は部屋全体と個々の被害を撮影
  5. 地震前にはなかった症状と発見日をメモ
罹災証明書と地震保険の認定は別です。自治体の住家被害認定と、保険会社の地震保険損害認定は目的・基準が異なります。